デッサン練習法を基礎から60年の歴史ある京都老舗の絵画教室が解説【直線の描き方】 | 東儀画塾 OWL美術研究所

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直線がどうしても上手く描けない人

「デッサンをしていて直線がどうしても上手くかけません。

しっかりと描こうとすると、人一倍時間がかかってしまいます。

時間をかけて描いた線もそんなに真っすぐではないのは分かるのですが、とりあえず時間もかかっているので、歪んだ線のままデッサンしています。

どのようにしたら良いでしょうか?具体的な方法を教えて下さい。」

 

こういった質問に答えます。

 

本記事の内容

  • 直線を引く練習法3つの手順
  • 直線を引く練習法の注意点
  • 直線を引く練習で大切なこと

私もこの直線を引く練習をデッサンをしていた時代に講師の方に指示されました。

が当時の私は、恥ずかしながら、自分の線が歪んでいる事に気がついていませんでした。

当時の講師の方がなぜ線を引く練習を私に指示してくださったのかも理解できますし、真摯にとりくまなかった自分にとても歯がゆい思いもあります。

素直に指示された練習をもっと一生懸命すれば、もっと早くデッサンが上達しただろうにと思うわけです。

教える立場となった今では、この練習がとても効果があるのが、わかります。

 

実際にこのデッサン練習法を宿題として出して、素直に取り組んでくれた生徒さんは、本人がやったという旨をこちらに伝えてもらえなくても、デッサンの描き始めで全然ちがっているのがわかるほどです。

しかし本当に地味で面白くない練習法なので、デッサン練習をしていた当時の私のように、生徒の皆様もなかなかやっていただけません。

 

ぜひこの直線を引くデッサン練習法をコツコツとやって頂ける事を願います。

 

直線を引く練習法3つの手順

  1. A3コピー用紙横に真っすぐな線を引く
  2. 下が膨らむ弧を大きく描き段々真っすぐにする
  3. もう一度1に戻り直線をひいてみる

●A3コピー用紙横に真っすぐな線を引く

まずA3コピー用紙を横向きに、左右の両端1センチきざみで点を打ち左右水平になる点どうしをイメ―ジして端から端に直線になるように、右利きの人は左から右に引いていきます。

左右1センチずつ点の打ってあるA3コピー用紙

 

 

細かく繋げていくのではなく、一機に端からはしまで、蛇行しないように、線を引きます。

 

1本目より2本目3本目よりも4本目と蛇行しないように直線を引いていく

一発でなかなか上手くいかないかもしれませんが、何処で線が蛇行してしまうのかを意識し、次に線を引く時には前回蛇行してしまった箇所が真っすぐ引けるように、繰り替えし線を引いていきます。

 

 

下が膨らむ弧を大きく描き段々真っすぐにする

 

 

もう一枚紙を使い今回は点を打たずフリーハンドで半円のさらに下半分くらいの形をA3画用紙左右をいっぱいに使い下が膨らむように描いて、2本目3本目と弧が段々と真っすぐになるように線を何本も引き、身体が直線をスムーズに引ける感覚を感じながら練習する。

 

もう一度1の手順に戻り直線をひいてみる

1→2と手順をしていただいたうえで、もう一度1の手順に戻った時恐らく、最初線を引いた時よりもスムーズに手が動いているのが実感できるとおもいます。

横だけではなく縦もしていただければと思います。

又線を描くスピードを変えたり、鉛筆の持ち方をかえたり、画用紙との間合いをかえたり、座る位置を変えたり、斜めにして一番描きやすい角度を見つけていくようにして描いてみてください。

 

又鉛筆だけでなく、面相筆に黒色で出来るだけ細く一定の線を描く練習も効果的です。

直線を引く練習法の注意点

 

 

  • 適当にやらない事
  • 集中しすぎない事

 

 

適当にやらない事

すごく当たり前の事なのですが、適当にやっちゃうとなんのためにやっているのか分からなくなります。

本来デッサンでの完成度を上げるための基礎練習なのですが、一本線を引いて、どう線が蛇行してしまったかを確認し、次はどうすれば、蛇行しないようにかけるのかを、確認してから、次の一本を引いていかないといけません。

やっているうちに集中力が切れて適当になってしまう場合が多々あります。

1本引いて線が途中でびびって蛇行してしまったのであれば、なにがしらの要因があるはずなのですこしやり方をかえて再チャレンジします。

(例えば鉛筆の持ち方を微妙に変えるなど)でスムースに引けたりするので、かんがえながら、集中して練習してください。

集中しすぎない事

適当にやらない事と相反する部分でもあるのですが、集中しすぎると緊張に繋がり、身体が固くなり、かえって線が思い通りに動かなくなったりします。

それと集中しすぎると視野がせまくなり、今描いている所だけしか見えなくなる傾向にあります。

そして全体を見ずに手を画用紙にしっかり付けて、手がコントロール可能な部分だけを繋げて綺麗に線を引こうとしてはいけません、手を画用紙から離し大きくイメージし視野を大きく保ち、集中はするのですが、緊張はしてはいけません。

意外と難しいのです。

ちょうどこの記事をかこうとしている2019年11月16日に朝の連続テレビ小説スカーレットで主人公の喜美子が絵付けの道にすすみ、師匠から最初の指導で直線を引く練習を指示されて、一生懸命やるあまり、顔が怖くなってきているのを師匠に「だんだん顔が怖くなってるで。笑ってかきなさい」と言われていましたが、まさににそんな感じで、笑ってやるぐらいでちょうどよいと思います。

 

直線を引く練習で大切なこと

冒頭でものべましたが、この練習をした時に自分の線が歪んでいる事に気がついていないという問題点があります。

真っすぐなので、判断しやすいはずなのですが、明らかに蛇行するばあいは分かります。

なんとなく直線が引けてるかなという程度の線になった時に、若干歪んでいる部分を把握し、次に線を引く時にさらに、真っすぐに引くんだという気持ちが大切で、その気持ちの積み重ねがデッサンの精度に反映してきます。

更には、実は真っすぐの線がイメージ出来ていない場合も多々あるのです。

練習をする場合も画用紙以外の画用紙より大きく直線が続いている机の直線部分や、天井と壁の境界線の部分など、大きな直線を見てイメージし、描く線よりも長い線をイメージしたうえで、線を引く方がよいでしょう。

大幅に蛇行してしまう方はまず、大幅に蛇行しないように練習し、大幅に蛇行はしない方でも、出来るだけ精度を上げていく事をイメージし練習してみてください。

 

今回の直線を引く練習を動画でも解説しております。併せてご覧いただくとより理解が深まると思いますので、ご高覧下さると幸いです。

 

OWL美術研究所の第一課題であるゴムボールの描き方も併せてご高覧くさされば、より理解が深まると思います。

最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます。

 

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